現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
その後、歯ブラシをいただいて、いっしょに歯磨きをして。
そろそろ寝るかという流れになった。


「じゃ、ここの部屋空いてるから使って」

志木さんはそう言って、リビングの隣にある部屋に案内してくれた。


「布団は、クローゼットの中に入ってるから、好きに使って」

「あ、ありがとうございます……」

「お休み」

お休みなさい、と答えて、私は頭を下げた。


その後、志木さんはその隣の部屋へと入っていった。そこが志木さんの自室なんだなぁ、とボンヤリと思った。


とりあえず部屋の中へと入り、電気を点ける。

普段これといって使っていない部屋のようで、物が少ない。リビングでさえサッパリとしていたんだし、この部屋がゴチャゴチャしていたらその方が不思議だけれど。


彼に言われた通り、クローゼットから客人用と思われる布団を借りて、床に敷く。

慣れない布団に、ちょっと違和感を覚える。だから眠れない、なんて言うほど繊細じゃないけれど。


……だけど。

(おかしい。眠れない)

布団に入って、一時間半くらい経っただろうか。一向に眠くならない。
一日仕事して、疲れているはずなのに。
慣れない布団に包まるのは平気なはずなのに。

それなのに、なぜか眠れない。


……目をつむると、この家に来てからのドキドキをたくさん思い出してしまうから。
そして、隣の部屋のことが気になってしまうから。

眠れない原因は、それだと思う。
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