恋愛対象外だから!【おまけ追加】
しばらくして、玄関のドアが開く音がした。
唯は走って玄関の方に飛び出して行った。
それに比べて、類は宿題をしていて楓加は類の宿題を教えていた。
「もー、ふう!唯兄騒がしいんだけど。俺なら大丈夫なのにっ!」
騒がしい様子でリビングに入って来た唯と蒼。
その後ろで溜息をついている京。
「蒼ちゃん、ケガしたんでしょ?平気?」
「こんなの擦り傷。」
「で?蒼、何してて事故ったんだ?」
「はる兄、何か冷たくない〜?…いつものことなんだけど。
うーんとね、知らない女子に駅のホームで背中押されて死にかけた。」
「まったく、日頃の女の扱いはちゃんとしなさいと言ってるでしょう。」
女の恨みってやつか?
あー、恐ろしすぎる。
「俺、別に女にだらしなくないよ?」
「蒼眞は、結構モテるんですから今後は注意しなさい。わかりましたね?」
「了解。…てか、俺悪くないのに〜。
そう思わない?るーい?」
「蒼兄は容姿端麗だから女子には気をつける方がいいよ。今回は運が良かったから良かったんだけど。」
類にも言われてるし、
てか、小学校低学年が “容姿端麗”という言葉を知っていることに驚いた。
────この時は悪夢の始まりなんて思いもしなかった。