パーフェクト・インパーフェクト
「杏鈴ちゃん、写真撮ってくれてほんとうにありがとう! 宝物にしますっ」
「あ、いえ、こちらこそ!」
「これからも陰ながらずっと応援させてくださいね……!」
「そんな、わたしのほうがうーんと旦那さま方にお世話になっておりますゆえ!」
「えー、へへ、旦那さまだって、こうちゃん、恥ずかしいね」
本当に幸せそうな顔をして笑うんだ。
左手の薬指で光るシルバーがまぶしくて、目にしみる。
突然ものすごくみじめな気持ちになってしまった。
わたしはいったいなにをしているのだろう、と。
サイテーな不倫男を成敗するとか息巻いて、こんなところにまでノコノコついてきて。
これじゃわたしも、やっていることはしょせん同じ。
もしかしたら本当に、この人には大切な家庭があるのかもしれないのに。
こんなふうに、いつも、どこかで幸せに笑いあっているかもしれないのに。
違うんです、こらしめてやるつもりだったんです、
なんてなんの言い訳にもならないよ。
奥さん(仮)にとってわたしはただの不倫相手の女。
そこにどんな感情も、理由も、関係ない。
既婚男性にうまいことしてやられたバカな女だ。