パーフェクト・インパーフェクト
なんとなくなにを話したらいいのかわからなくて黙っていると、ふ、と軽い笑いがこぼれ落ちてきた。
「季沙とすごい楽しそうにしてたね。やっぱり気が合った?」
そうでしたかって聞いたら、かなりキャッキャしてた、って。
きれいな鼻筋の横顔がくつくつ笑っている。
「洸介もあれでこっちに気を遣ってくれてたんだよ。季沙とふたりでいたいって気持ちがまったくなかったわけではないと思うけど」
「ほんとに素敵なご夫婦ですね。幼なじみだって伺いました」
「あ、聞いた? そうそう、昔から洸介のほうがベタ惚れだよ」
女子と同じように、男の人も仲間どうしで恋愛の話をしたりするのかな?
この人も誰かを好きだとか、そういうことを、瀬名さんたちに打ち明けたりするんだろうか。
「ところでまずくなかったんですか? わたしといっしょにいるところ見られちゃって……」
もうずいぶん前に空っぽになっていた紙コップ、捨てるタイミングを逃して握りしめ続けていたそれを、長い指がとても自然に持っていった。
「まずかったらふたりでこんなところ来ないよ」
どうして平然とそういうことを言うんだろ。
やっぱりぜんぜんわからない。
「俺はべつに、誰に見られても構わないと思ってるけど」
――くらくら、する。