パーフェクト・インパーフェクト
「よかったら握手してもらえませんか? 大ファンなんですっ」
「わたしも! あの、お写真なんていっしょに撮ってもらえないですよね?」
ぜんぜん意味がわからなくて上手に対応できないでいると、ふたりのちょっとうしろのほうに、他人事みたいな顔で立っている俊明さんとばっちり目が合った。
にこりと微笑まれる。
もしかして……なにか、した?
「あの、すみません、やっぱりダメですか……?」
「あっ……ううん、ごめんね、もちろんいいよ! 握手も写真も超ウェルカムですっ。ありがとうございます!」
ヨイショヨイショと握手して、3人で写真を撮って(イマドキのJKは自撮りがものすごく上手で驚き)、ついでに最後にハグをすると、双子コーデのかわいこちゃんたちは感激したようにお礼を言ってくれた。
「ほんとにありがとうございます! 友達に自慢しちゃいます~!」
「彼氏さんとのことはウチらだけのひみつにしておきますねっ」
「お似合いでドキドキしちゃったー!」
待てい。
『彼氏さん』とは誰のことだ!
だけど満足そうに去っていくふたりにもはや野暮なことは言えず、お仕事用のスマイルでひらひらと手を振っていると、ずっと席を外していた男は涼しげな笑顔で帰ってきたのだった。