パーフェクト・インパーフェクト
「いい子たちでよかった」
「……やっぱりなんかしましたよね。いったいなにしたんですか」
「ん? べつに、声かけてみたらいいんじゃないかなって言ったたけだよ」
それだけであんなに劇的に変わるもの?
ああ、でも、この笑顔に優しく諭されたら、わたしでもあの子たちと同じようにしちゃうかも。
声かけてみようかなって、勇気もらえちゃうかも。
「モデルさんって大変なんだな。俺はあんまりああいう経験はないからちょっとびっくりした」
「うそ! 声かけられたり、その、盗撮されたりとか……しないですか?」
「アキならまだしも、俺はぜんぜん」
言いながら、彼の手がこっちに伸びてくる。
これからすぐに太陽が沈むはずだ。
そしたらいっきに暗くなるし、またコケちゃったら嫌だし……だから、つかまっても、いいよね。
「あの……助けてくれて、ありがとうございました」
指先どうしが触れあった瞬間そう伝えたら、彼はなにも言わないで横顔のまま目を伏せて笑った。
どうしよう。
なんでだろう。
今度はぜんぜん別の理由で、キャップを深くかぶり直す必要がありそうだよ。