パーフェクト・インパーフェクト
夜のキャラクターショーは残念ながら当選しなかったけど、パークの中心に架かる大きな橋から遠目に眺めるのも、すごくよかった。
水面にゆらゆら揺れる小さな光たちが幻想的で、信じられないほど素敵なの。
あんまりきれいで、手すりに腕をついてぼうっと眺めていたら、写真は撮らなくてもいいのかってからかわれた。
このおじさんは若い女の子がなんでもかんでもとりあえず写真におさめると思っているらしい。
やがておなかが減ってきて、夜はどうするのだろうとぼんやり思っていたら、ショーを見ていた橋の近くにあるレストランに連れていかれた。
真ん中に地球儀のあるここはたしか、フルコースの出てくる、パークでいちばん高いところのはず。
家族や友達と来たときはぜったい入らないようなお店だ。
足を踏み入れるなりきょろきょろと落ち着きのないわたしの隣で、彼は流れるようにウェイトレスさんに名前を伝えた。
「皆川様、お待ちしておりました」
うなずきのような会釈をされて、コチンと背筋が伸びて固まった。
まさか、事前に予約していたの?
「あっ、あのあのあの!」
「勝手に決めちゃっててごめんね」
席に案内されている途中、袖を掴んで小声で話しかけると、振り返った彼は申し訳なさそうに微笑んだ。
「相談して決めようかとも思ったんだけど。時期的にどこも混むだろうし、当日にそんなことしてる余裕ないかなって」
「だからといってこんなちょー高いお店……!」
「こういうところは好きじゃなかった?」
「そうではなくてですねっ」
「うん、せっかくクリスマスなんだし、俺が贅沢したいと思っただけだよ」