パーフェクト・インパーフェクト
  ✧︎*。


「バンドマンにはシッカリ口説かれてきた?」


ろくに挨拶もしないで第一声がコレだったから、持っていた化粧パフでおもいきり顔をはたいてやった。


触れるとよりいっそう感じる、日本人にはなかなか無いような、平地と高地。

ベルギーの血を半分引いているリアは、まさに“美しい”顔をしている。
彫刻のような荘厳さと、天使のような繊細さを、どちらも持ちあわせている。


「ホントそーゆー話しかしないじゃんね」


いろいろと包み隠せない性格の彼女は、いつもこんなことばかり吹っかけてくるから、玉にキズ。

黙っていたら息をのむほどキレイなのに、もったいない。


『男』と『噂』がリアの主食。

なーんて自分で言っちゃうところが、また、彼女の憎めなさでもあるんだけど。


日本生まれ日本育ちの、中身はカンペキ日本人なのに、ところどころ、どうにも外国人があふれ出ちゃっているのである。


「だって情報収集しときたいもん。あたし次はミュージシャンねらいだし?」

「前の彼氏と別れたとこじゃん。いったん休憩するに一票~」

「アンちゃんは知らないカモだけど、女は恋してるほうがキレイになれんだよ?」


前半部分はマジでいらないから。

と言うとまたからかわれるので、ぜったい言わないけど。
言わなくても、こうしてなんだかんだとイジられるんだけど。


たしかにわたしはリアみたいなGカップのおっぱいは持ってないよ?
ランジェリーブランドから撮影オファーが来たことは一度もないよ?

だけど、そのことと、わたしが19年間まったく彼氏を作ってこなかったこととは、ぜんっぜん関係ない。

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