パーフェクト・インパーフェクト



「誕生日、どうしよっか」


さあこれから寝ようというときに、ベッドに横になった彼が、思い出したように言った。


誕生日。

そっか、もう、そんなことを気にするような時期だっけ?


「わあ、早いなあ……」


ラストティーン楽しまなきゃ、
とつぶやいたら、彼がくすりと笑った。


「まだひと月半もあるけどね。特に人生の節目で大事な日だし、せっかくだからちゃんと計画しといたほうがいいかと思って。もし行きたいところとか、やりたいこととか、食べたいものがあるなら教えて」

「えー! それってお任せプランもあるの?」

「何の要望もなければ」


微笑んだ彼の腕が、そっとわたしを抱き寄せる。


お任せプランにしたらどんなデートになるのか、すごく気になる。

きっと彼は満足度100%のプランを組んでくれるに違いない。


でも、せっかくこんなふうに聞いてくれているんだから、なにか希望を言ったほうがいいかな。

イチから考えるのってけっこう大変だとも思うし。

彼は、ものすごく期待に応えようとしてくれる人だと思うから、負担になってしまうかもしれない。

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