パーフェクト・インパーフェクト
「誕生日は、20歳だし、お酒飲めるところに行こうか。おいしいもの食べて、ちょっといいところに泊まって」
「と、泊まり……!」
「はたちになったら、の約束もあるし」
「はっ……約束!」
「忘れてた?」
ちょっといじわるに笑う。
忘れるもんか。
こっちはその日を心待ちにしていたんだ。
べつに、変態的な意味じゃなくてね。
「新しいパンツ買う!」
彼は今度はホントの本気で笑っていた。
からから、じゃなく、げらげら。
笑いすぎてちょっと泣いちゃってるよ。
「こっちは大まじめだよ、ねえ、何色が好きですかっ」
「何色でもいいよ。あんまり際どいのじゃなければ」
「キワドイのは好みじゃない?」
「いやあ……そんなの穿かれたら、たぶん俺、笑っちゃうと思う」
「なにそれひどー!!」
リアにいっしょに選んでもらおうかな。
いつもよりちょっとオトナだけど、あんまり気合い入りすぎて引かれないくらいの、ちょうどいいパンツ。
彼がこんなふうに笑っていられなくなるような、我慢できなくなっちゃうような、パンツ。