パーフェクト・インパーフェクト


「誕生日は、20歳(はたち)だし、お酒飲めるところに行こうか。おいしいもの食べて、ちょっといいところに泊まって」

「と、泊まり……!」

「はたちになったら、の約束もあるし」

「はっ……約束!」

「忘れてた?」


ちょっといじわるに笑う。


忘れるもんか。

こっちはその日を心待ちにしていたんだ。


べつに、変態的な意味じゃなくてね。


「新しいパンツ買う!」


彼は今度はホントの本気で笑っていた。

からから、じゃなく、げらげら。

笑いすぎてちょっと泣いちゃってるよ。


「こっちは大まじめだよ、ねえ、何色が好きですかっ」

「何色でもいいよ。あんまり際どいのじゃなければ」

「キワドイのは好みじゃない?」

「いやあ……そんなの穿かれたら、たぶん俺、笑っちゃうと思う」

「なにそれひどー!!」


リアにいっしょに選んでもらおうかな。


いつもよりちょっとオトナだけど、あんまり気合い入りすぎて引かれないくらいの、ちょうどいいパンツ。

彼がこんなふうに笑っていられなくなるような、我慢できなくなっちゃうような、パンツ。




< 287 / 386 >

この作品をシェア

pagetop