パーフェクト・インパーフェクト


「ずっとわたしに、いさせてね」

「うん?」

「俊明さんの傍に……わたしが、いたいよ」

「うん」


ちゅ、と音をたてて耳たぶにくちづけを落とすと。


「じゃあずっと、傍にいて」


どこかくぐもった声でそう言って、甘えるみたいに首元に顔をうずめた。


心臓が、みぞおちが、お腹が、脳みそが、内臓が、

からだじゅう全部が、見えないなにかにぎゅうっと掴まれて苦しくなる。



素肌どうしをくっつけあいながら、いつもより広いベッドのなかで、いつもより小さくなって、朝が来るまで眠った。


はじめての気持ち。

愛おしいという、こみ上がるような気持ち。


彼のことが、こんなにも、愛おしい。


ずっとわたしが守ってあげるね。

本当はとても不器用なのに、器用に見えてしまうあなたを取り囲んでいる、寂しさと、悲しさの渦から。


わたしが守ってあげる。

わたしがあなたを、ぜんぶ、ぜんぶ、幸せにしてあげる。




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