パーフェクト・インパーフェクト


いつしか泣き疲れたわたしは、そのまま眠ってしまったようだった。


目が覚めるとベッドのなかにいた。

うちじゃなく、彼の家。

メイクも髪もそのままで最悪だ。


家じゅう探しても、家主の姿はどこにもなかった。

かわりに、テーブルの上にフレンチトーストが用意されていた。


『仕事に行きます。食べられそうだったら食べて下さい。シャワー等も好きに使ってくれて大丈夫です。』


あまり癖のない、すらりとした綺麗な文字。

朝食に添えられているメモをぼうっと眺めながら、起きぬけの頭がだんだん意識を取り戻していくのを感じた。


昨日の夜のことを徐々に思い出す。

とりあえず、記憶を飛ばしていなくて本当によかったと思う。


頭が痛い。
ちょっと気持ち悪い。

とても、いますぐはフレンチトーストを食べられなさそうだよ。


「……ぜんぶ、敬語」


つぶやいて、ひとまずシャワーを浴びた。

体がすっきりしたら吐き気がほとんどなくなったので、フレンチトーストを食べた。


冷たいけど、甘ったるい。

冷めてもすごくおいしいよ。

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