パーフェクト・インパーフェクト
それから約30分後に、玄関のドアは開けられた。
ちょっと抜けているらしい季沙さん、わたしがいることをすっかり伝え忘れていたようで、旦那さんは奥さんと同じ、驚いた顔を見せた。
年末、テーマパークで遭遇したぶりに会うけど、相変わらず淡々とした独特の雰囲気をお持ちだ。
「あの、すみません、おじゃましてます……」
「どうも。いらっしゃい」
あまり温度のない声。
にこりともしないんだな。
だけど怒っているわけではなさそうだ。
これが、通常かな?
「なんかあった?」
だけど意外にも、最初に核心に触れようとしてきたのは瀬名さんだった。
キッチンで手を洗っている途中、ちょいっと目線を上げてわたしを見る。
「家そのまま飛び出してきたような格好してる。顔もけっこう酷いし」
「顔がひど……!? こうちゃん、女の子になんてこと言うの! 信じらんない!」
「つっこまないほうが変だと思うけど」
とりあえず座ったらと、ダイニングに促される。
3人で囲む食卓はあまりにもヘンテコだった。
誰も箸を持って食べ始めようとしない。
きっと、ふたりは、わたしがしゃべりだすのを待ってくれているのだと思う。