パーフェクト・インパーフェクト


「実は……篠岡衣美梨さんのことを、お伺いしたくて」


夫婦が、あからさまにぎょっとした。


パートナーとだんだん似てくるというのは本当かな。

それとも、生まれたときからずっといっしょだった瀬名さんと季沙さんは、結婚するよりずっと前から似たものどうしでいるのかもしれない。


「高校時代から彼の傍にいたおふたりが、いちばんよく知ってるんじゃないかと思って」


答えを探すように顔を見合わせた、そのしぐさが、正解の証。

ふたりは衣美梨さんのことをきっとよく知っている。

そして、きっと、わたしが知る由もない、彼のことも。


「俊明さんと衣美梨さんは、つきあってたんですよね? どうして別れたんですか? どうしてほかの人と結婚……」

「ごめんね。杏鈴ちゃんが期待するほど、わたしもあのふたりのことってあんまり知らないの」


言葉をたたみかけるわたしを制止するように、季沙さんが言った。


「だけどたぶん……トシくんと衣美梨ちゃんは、つきあってなかったと思う」


そうして確認するように瀬名さんに目をむけた。

瀬名さんが答えるように小さくうなずく。


「間違いなく、好き合ってはいたと思うけど」


今度は瀬名さんが言った。

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