パーフェクト・インパーフェクト


なーんて考えていたら、いけちゃんから緑のアイコンのメッセージが届いた。

文面だけのモニコ。
これに反応しないと、今度は本物のコールがガンガン鳴りはじめる。


簡単にオハヨのスタンプを送り、昨夜のうちに用意しておいた朝食をお腹いっぱい食べた。


メイクとヘアセットの前に着替えは済ませてしまう。

なによりもお洋服が好きだから、そっちの雰囲気のほうに首から上を合わせたいんだ。


ちょうどヘアセットまで完了したところで、赤いアイコンの右上に『1』の数字が生まれていることに気づいた。


フォトストだ!

DMだ!


『いいね、それ。かっこよすぎ。めちゃくちゃシビれた。』


「ふふっ」


あんなに上品なお顔をしておいて、なんだかどこかロックな返事だったから、声に出して笑ってしまった。

はじめて皆川さんに“バンドマン”を感じた。


だって、“シビれた”って、なに?



皆川さんとのやり取りはおもしろくて、新鮮で、とてもテンポがよくて、なにを言っても優しい感じで肯定されるものだから気持ちもよくて、空き時間にチェックしては、こまめにいちいち返信をした。


フォトストの“リアルタイム”に、リアとのしょうもない動画とか、バチバチにキメこんだ写真とかを上げると彼は反応をくれたり、その逆のことをわたしもしたりした。

彼らが上げるのは、メシ食ってるとか、リハしてるとか、本当にささいな日常のこと。
カッコイイとかじゃないけど、こういうのがファンはうれしいんだろうなあ、と思いながら全部見てしまう。

だって、すごく、勉強になる。


わたしも、あしたは朝ごはん中の写真を載せてみようかな。

その前に今夜、パックしながらライブ配信でもしてみようかな。




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