パーフェクト・インパーフェクト


「でもひとつだけ条件があるの」

「はい、なんなりと」

「ちゃんと、お父さんと仲直りして」


兄が驚いたように目を見張り、それからいつもみたいに困ったふうに笑うと、「参ったな」と小さくこぼす。


「やっぱりうちは、俺が女で、茉里子が男に生まれてたほうがよかった気がするよ」


ぜんぜん、敵わないって。

そう言った彼は、やっぱり3つ下の妹をすごく大切に思ってきたのだと、なんの疑いもなく感じられた。


「いやだよ。べつにわたしは男に生まれててもよかったなと思うけど、お兄ちゃんは絶対に男じゃないとイヤ」

「そうなんだ?」


隣で聞いていたお母さんがにやりと笑う。


「そりゃあ、茉里子の理想の男性はずっとお兄ちゃんだもんね」


妹が顔を真っ赤にして怒り、兄が声を上げて笑った。


「俺、茉里子の結婚式はぼろぼろに泣くかも」


やっぱりきょうだいっていいな。

雪夜と海帆をずっと傍で見てきて、憧れてはいたけど、やっぱりわたしも血を分けたきょうだいが欲しかったと改めて思う。


親と子どもとはまったく違う、特別な存在。

やっぱりきょうだいには、きょうだいどうしにしかわからないことがあると思うよ。

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