パーフェクト・インパーフェクト


「わたしの前にお兄ちゃんの結婚式でしょ。ね!」


わたしと彼のちょうど真ん中。

わたしにとっては3つ年上になる妹さんが、こっちに目くばせして同調を求めてくるので困った。


あいまいに笑ってうなずく。


さっきも思ったけど、なかなか、結婚とか、ぴんとこないな。

相手が彼だからそうだというわけじゃなく。


これまで考えたこともなかった。

いかんせん、彼に出会うまで、恋だってろくに知らなかったんだ。


「それは、まあ、追い追いな」


彼がフォローするように体を乗りだした。

やっぱりいい具合にはぐらかすのが上手な人だ。



それから、お母さんが古いアルバムを何冊か持ってきてくれたので、みんなで見ながら楽しんだ。


もちろんわたしにとってはどれも新鮮で、小さいころの彼をなぞる貴重な代物だったけど、母と兄と妹にとっては、これはきっと思い出を共有するための大切なツール。

会えなかった時間を埋めるように様々な話をする3人は家族そのものの形をしていて、その姿を見ているだけでこっちまでほっこりした。


彼にはちゃんと帰る場所があるのだと、心の底から、ほっとした。

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