パーフェクト・インパーフェクト
「……わがままは、聞いてもらったよ。家を出て、好きなことして生きることを許してくれただろ」
「おまえが勝手に出ていっただけだ」
「おやじが『出ていけ』って言ったんだ」
お母さんの言った通り、ふたりは本当に似たものどうしなんだな。
母と妹も口出しできずにいる。
「おやじが大切にしてるもの、一緒に大事にできなくてごめん」
彼が頭を下げた。
お父さんが眉をぐっとひそめる。
「……いまさら、謝られてもなんの意味もない。勝手に自分の進路を決めて、勝手に出ていって、勝手にひとりでやっていけるようになったかと思えば、どうせこれからも、勝手に生きるつもりなんだろう」
そしてとても低い声を絞り出すように、そう言った。
「はい」
彼は静かにうなずいた。
「俺はたぶんずっと、勝手に生きていくよ」
父親がそっと息を吐く。
そうして、ゆるゆるとかぶりを振ると、実に厳格なまなざしを息子に向けた。
「『たぶん』じゃ困るんだ」
「……おやじ」
「ちゃんと地に足をつけて、しっかり前を向いて、勝手に生きていけ」
そうやって育てたはずだろう、
と、つけ足して。