パーフェクト・インパーフェクト


「えらい世話してやった高校生のガキが成長して、こんなべっぴんなファッションモデルとつきあってんだって、見せびらかしに来る日がくるなんてな」

「そうです。ワキさんにだけはどうしても見せびらかしておきたくて」

「おまえほんと、昔から口が達者だとは思ってたけど、中身まで生意気になっちまってんじゃねえよ」


なんだか兄弟みたい。
茉里子さんとはまた違ったふうなそれをとても感じる。

彼のほうが、“弟”の立場に見えるからかな。


バンドの皆さんとはまた違った立場で、彼の若いころをきっとよく知っている人。

彼が、こんな人にわたしを会わせたいと思ってくれたこと、心の底からうれしく感じた。



ふたりは少しだけ昔の話をしてくれた。


あそこのギター売り場で、アキさんと寛人さんがものすごい大喧嘩をしたことがあるとか。

脇坂さんがあまりにも季沙さんをカワイイと言いすぎるせいで、けっこうガチで瀬名さんに嫌われているとか。


どれも他愛もない思い出話、そして笑い話が多かったけど、
すべてが尊く、かけがえない。


ずっと大切に耳を傾けていた。


あまり昔のことを多く語ってくれない彼の記憶たち、
いま聞いたすべてのことを、わたしは一生忘れないと思うよ。

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