パーフェクト・インパーフェクト
「皆川さん。ベースの」
意を決して口に出したとたん、お腹のあたりが少し震えた。
自分でも戸惑うくらいに。
「ひや~~へええ!」
奇声にも似た悲鳴はかなり気持ち悪い上に、声がマジのマジにデカくて困る。
ただでさえ美しい見た目で目立っているのだからやめてほしいよ。
こんなところで身バレするのは絶対に嫌だよ。
「好きなの?」
へええとか、ふううんとか、はああとか、ひとしきり息を吐いたかと思えば、いきなり豪速球すぎるボールが顔面にむかって飛んできた。
なんなの。
なんで、そうなるの。
「思考回路がブッ飛びすぎなんじゃないのっ?」
「あー、そっか、ゴメンゴメン、そうだった」
「なにが!?」
「いやコッチの話」
リアはウーンとなにか考えるような顔をして、焼きあがったカルビをハイボールで喉に流しこむと、空っぽになったジョッキをドンとテーブルに置いた。
そしてさっきとは別人みたいに声をひそめる。
「実は今度、あまいたまごやきの皆さんとお食事会をするかもしれないんだけど、よかったらアンちゃんも来る?」
「へあ?」
今度はわたしの口からおかしな声が出てしまった。