パーフェクト・インパーフェクト
「いま、日焼け止めクリームのCMのオファーが、ひっそりきててね? CMソングは彼らのほうにオファーがいってるらしくて。せっかくだからご挨拶させてくださいって、実はマネちゃんにお願いしちゃったトコなの」
ちゃっかり、というか、なんというか。
あきれを通り越して感心してしまう。
そして、リアはこういうふうに人脈を広げているんだな、と納得もする。
わたしは、自分から食事会を開催してくれなんてお願いしたこと、いままでに一度だってなかったな。
「そんな大切な場にわたしが行っていいわけないじゃん」
「そんなカタいやつでもないよ! それに、アンちゃんはMVにも出てあたしより濃厚に彼らとお仕事してるワケだし、“アンリアコンビ”のアンちゃんがその場にいるのは、ぜんぜん不自然じゃないと思う」
「いやいや」
「SNSでやり取りしてるなら、なおさら、改めてちゃんと挨拶しといたほうがいいんじゃない? 友達じゃないんだよ」
友達じゃない、
という言葉がけっこうグサリときた。
こういう世界では、友達とそうでない人との線引きが、とてもむずかしい。
リアはもう友達を超えた大親友だけど、それだけかと聞かれたら、たぶんそうじゃない。
じゃあ、どうしたら、友達なんだろう。
どこから友達になるんだろう。
わたしは皆川さんと“友達”になりたいのかな。
それもわからない。
そもそも友達ってなんだ?
でも、おもしろい人だなとは、思うよ。
仕事を飛び超えて、気軽にお話してみたいなって、そういう気持ちはきっとゼロじゃない。
「じゃあ……うん、行ってみようかな」
リアが満足そうにニンマリ笑った。
その顔を見たとたん、なんだか軽率なことを言ってしまった気がして、ちょっと恥ずかしくなった。