パーフェクト・インパーフェクト
そろそろおいとましようかというとき、ちょうど隣のスタジオから、練習を終えたらしい若いバンドマンたちがぞろぞろ出てきた。
高校生くらいの男の子4人組。
その姿に、さっき見たばかりの写真がぴったり重なって、くらくらする。
彼らははつらつとした笑顔でオーナーさんに挨拶すると、隣にいた俊明さんに気づいて、びっくりしたあとにペコペコと挨拶していた。
頑張ってねと、先輩は優しく答え、目を細めて4人分の背中を見送った。
やっぱりもっと早く出会っていたかった。
この街で、彼と同年代の女の子に生まれて、わたしもあのアルバムのなかに当たり前に存在していたかった。
だけど困らせてしまうだけだから、そういうどうしようもないわがままは、胸のうちに秘めておくよ。
脇坂さんに挨拶したあと、彼は運転席におさまったけど、わたしはどうしても助手席に乗ることができなかった。
腕を伸ばしてこっちのドアを開いた彼が、どうしたのかと車内から訊ねる。
「わたしは、新幹線で帰るね」
脚が震える。
心臓がなにかのビョーキみたいにばくばく暴れている。
「……なんで?」
喉がぐんとせまくなるのがわかった。
まぶたがじわじわ熱くなっていくのを感じる。
でも、ダメだ。
泣いちゃダメだ。
自分で決めたことだよ。
がんばれ。