パーフェクト・インパーフェクト
  ✧︎*。


お店は4人のお兄さんたちが指定してくれた。

まだわたしが未成年だからと、お酒だけじゃなく、料理も豊富に置いてある創作居酒屋を選んでくれる大人の気遣いに、とてもじゃないけど頭が上がらない。


しかも、さすが、全席個室のところだと聞いている。

よかった。
これでリアが酔いつぶれても見つかりにくいし、ネットで無駄に叩かれたりしなくてもよさそうだ。

まずそんなふうにならないことを祈るばかりだけど。


大通りを一本入った裏路地はどこかひっそりしていたので、念のため装着していた帽子と眼鏡を外す。

同じタイミングで、リアもゆるくまとめていた髪をほどいた。
とたん、黒のワンレンロングからホワイトムスクの香りが漂ってくる。

そういえばこないだ新しいヘアミストを買ったと言っていたな。
すごく、いい匂い。


「――こんにちは! はじめまして!」


彫刻のような横顔が突然、可憐に笑った。
おまけにハキハキしたしゃべり方。

リアの仕事モードがオンになったのを確認して前方に視線を移すと、極寒の海で会った4人の男性が、そこに立っていた。


律儀に店の前で待っていてくれるなんて。

それに、まだぜんぜん、待ち合わせ時間よりも早いのに。

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