パーフェクト・インパーフェクト


「おー、こんにちは」


最初に口を開いたのは、やはりアキさんだった。

あまりにまばゆい笑顔にぽけっと見とれていると、その端正な顔がふっとわたしのほうを向く。


「杏鈴ちゃんもこんにちは。こないだはどうもな」

「あっ、こちらこそ! きょうはノコノコついてきてすみません!」

「いや、逆にゆっくり話せる時間がとれて嬉しいよ。こないだはトシに全部持ってかれたからなー」


前と同じような軽口が飛んできて、なぜかちょっと安心。


アキさんってきっといつもこういう人なんだな。

年上のはずなのに、少年みたいにいたずらっぽく笑う表情がとてもよく似合う。


学生時代はきっとどんな輪でも、その中心にいたのだろう。

そういうのがすごく想像できる。


「だから誤解を招くようなことサラッと言うなよ」


どっきーん!と心臓が跳ねるのがわかった。


優しくて品のある声。

皆川さんだ!


ずっと文面でやり取りしていたからか、なんだか少し気恥ずかしい。

なんでだろ。
なんか、いまさら感があるよ。

なにしゃべったらいいのって気持ち。


「こんにちは」


どこを見ていればいいのかわからず、アスファルトに延びる白線をただひたすら見つめていたわたしの頭上に、とってもマイルドでフランクでスイートな挨拶が降ってきた。

驚くほど自然なコンニチハだった。

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