パーフェクト・インパーフェクト


先日、星空の下で見たのとまったく同じ微笑みが、首をかしげるみたいにして、わたしの顔を覗きこんでいる。


きれいな瞳に思わず目が奪われた。

皆川さんは、吸いこまれそうに深い、漆黒の瞳をしている。


「こんにちわっ!」

「はは、急に声デカ」


空気をぽこぽこ生み出すみたいに軽く笑うんだな。

あっけなく離れていってしまった微笑みを目で追っていくと、わたしの視線に気づいたのか、さっきより高い位置に移動した瞳が横顔のままコッチを見た。


「店、入らない?」

「えっ」


気づけばすでにお店に足を踏み入れているリアとアキさんが先頭で楽しそうにしゃべっている。

それに続くようにして、寡黙組(瀬名さんと弟さんのことを最近は勝手にそう呼んでいる)がのれんをくぐった。


ああ、メチャクチャ置いていかれてる!

リアも、一言くらい声をかけてくれればいいのに。


皆川さんはとても自然な動作でわたしを先にお店の中へ誘導すると、近すぎず遠すぎずのちょうどいい距離を取りながら、席まで後ろをついてきてくれた。


席は3対3で向き合う形でテキトーに座るという感じだったけど、なんだかんだでわたしはリアの隣に収まった。

リアの隣には弟さん。その向かいに瀬名さん。その隣にアキさん。そしてそのまた隣に皆川さん。
という順番。

寡黙組が向かいあったまま、本当に寡黙なので、大丈夫かといらない心配をしてしまう。

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