パーフェクト・インパーフェクト
リアは驚くほど簡単に、すぐにお兄さんたちの空気感に馴染んだ。
あの寡黙組でさえたまにリアとしゃべったりしているくらい。
特に、リアと同じようなテンションのアキさんとはすごく波長が合うようで、すでに長年の友人みたいに自然に笑いあっている。
わたしもべつに人見知りとかしないほうだけど、なかなかその輪のなかにはちょっと入りづらくて。
おかしいな。
いつもはカメラマンさんとかメイクさんとか衣装さんとか、はじめましての人にもこんなふうにはならないのに。
仕事のときは、もっと余裕なのに。
そうか、きょうはこないだと違って“仕事”じゃないから、まだこの空気を掴みきれていないのかも。
打ち上げでもないし、顔合わせでもない。
じゃあいったいこれはなんの会なんだ?
いまさらのような疑問。
「やっぱり不味かった?」
ごぼうサラダを箸でちびちび食べていると声をかけられた。
はっとして顔をあげる。
正面にある黒い瞳は、わたしの右斜め前のグラスに向いていた。
同じように目を向けると、自分でもびっくりしちゃうくらいまったく減っていなくて、びびった。
だってほんとにクソマズなんだもん。
でも、それより、気づけばずーっと黙りこくっていて最悪だったな。
気を遣わせていたかもしれない。