パーフェクト・インパーフェクト
「それにしても生身のアンリアが目の前にいるって冷静にやべえよな」
場も和んできたところで、アキさんが唐突に、だけどしみじみと言った。
わりと売れっ子のミュージシャンのくせに、そこらへんの男子高校生と変わらない感想に、リアが楽しそうに声を上げて笑う。
「なあ洸介。やばくねえ?」
二の腕を小突かれた瀬名さんがめんどくさそうに対応する。
「アキ、酔ってる?」
「そりゃこんなかわいー顔が目の前にふたり分ならんでたら酔いもまわるだろーよ」
「ほどほどにしといたほうがいいんじゃない。それでなくともアキがいちばん酒弱いんだし」
はいはいって感じの対応に、なんだよーってへらりとする顔。
夫婦みたいなやり取りだな、と思ってぽろりと口に出すと、アキさんと瀬名さんは中学のころからの付き合いだということを教えてくれた。
びっくりだ。
さっきから微妙に漂ってくる“お互いのこと全部わかってます感”の原因は、それだったんだ。
友達どうしが成長して大人になって、そのまま仕事仲間に変わるって、きっとものすごいこと。
すごく特殊なことだと思う。
どうして、この4人でバンドをやろうと思ったんだろう。
そもそも、どうやってこの4人が集まってきたんだろう。
事の経緯はなんかウィキペディオに書いてあった気がするけど、だめだな、よく覚えていないや。