パーフェクト・インパーフェクト


「あ、そういえばいっこ質問があるんですけど!」


お互いの自己紹介めいたこととか、これまでとこれからの仕事のこととか、飲み食べしながらダラダラ話して、ひと段落ついたかなってところで、リアがいきなり声を上げた。


とろんとした目。
蒸気した頬。

ああ、すでに出来上がってしまっている。


いったいジョッキ何杯あけたの?

いまからなにを言おうとしてるの。
本当に、口に出しても大丈夫なことなの。


「寛人さんがアイラッシュのユカとつきあってたって話はほんとうですか~?」


右のほうからブホッという盛大な音が聞こえてきた。

体を乗りだして見てみると、なににも動じなさそうな、常にクールな弟さんが、飲んでいたビールでおもいきり噎せこんでいるところだった。


これはクロ。
まさに図星。

弟さん、ユカっぺとホントにつきあってたんだ……!


「あー、その話は勘弁してやって」


くっくっくと笑いをこらえるみたいにして、アキさんが言う。

瀬名さんは興味なさそうにしながらも、おしぼりを弟さんに手渡してあげている。

皆川さんは正面で、困ったように眉を下げて笑っていた。


みんな隠すつもりはないみたい。

弟さんはなぜか心の底から嫌そうな顔をしているけれど。


国民的アイドルとつきあっておきながら、その顔はいったいなんなんだ。

もしや、あまりいい思い出じゃないのかな?

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