君を好きになるって、はじめからわかってた。
教室に戻った私たちは、疲れきっていた。
1年恐るべし! 若さなの?
一応、私もまだ現役高校生なんだけどな。
お昼からの授業は、全く身に入らなかった。
それは多分、結菜と岩泉も同じだったと思う。
いや、私以上に最悪だろうな。
お互い好きなくせに、告白する勇気はない。
それが、たった数日の間に出会った奴が、いきなり場所や空気も考えず告白してるってどうよ?
屈辱?
まぁ、彼は変人としても、2人には良い刺激になったかな。
そろそろ進路のこともあるし、進展してもらわなきゃだね。
ホームルームが終わり、結菜は日課の体育館へ。
ただ今日は、雰囲気が違って落ち着いてる。
いつもは元気にはしゃいでるのに、やっぱり何かしら青柳くんの行動が影響したんだな。
そんな結菜を思ってたら、女子の群れが少しザワつきだしたのに気づいた。
体育館の中をチラリと覗くと、青柳くんがこっちをみて手を振っている。
「手、振ってあげたら?」
沈黙を続けていた結菜がボソリと呟く。
「いいよ。別に彼女でも何でもないんだし。ただの先輩と後輩でしょ」
私は、結菜を置いて先に歩き始めた。
「ねぇ。本当は?」
私の足が止まった。
本当って何が?
それを口に出せずに、鞄を持っていた手に力を込めた。
「最低な奴も、カメレオンも、もう忘れなよ!」
「違うよ。最低なのは私だよ」
そう。
最低なのは私なんだよ。