きっとこの輝きは消えないでしょう。






過ぎ去った足音と声に安心しきった彼女と目が合った。



それも至近距離で。





「う、うわっ、ご、めん!!」


「……あれ?バルーンの人?」





ずいぶん慌てた僕に彼女は落ち着いた声で聞いてきた。





どうしよう、僕。いま凄く興奮してる。

なんでだろう。全身があつい。



そして、心臓が痛い……。





「あなた、大丈夫?」


「え?」


「胸のあたり押さえてるから。どっか悪いの?」





彼女の視線を辿ると手が胸の位置をギュッと握り締めていた。





「いや。何も悪くないよ。……ただ、驚いてるだけ」






だって会いたいと思っていた人に逢えたのだから。


まさか、会えるなんて。



彼女は僕から離れて背中を向けた。そして、横顔をみた。


とても、綺麗だと思った。


逆光で表情は見えなかったけど、言葉はハッキリ届いた。





「助かった。ありがとう。じゃ私はこれで」



そう言うとまた背中を向けて歩いていく。



光の中へ吸い込まれていく彼女。




気づくと僕は彼女を追っていて、手を掴んでいた。







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