きっとこの輝きは消えないでしょう。





「はい、これ」


目に入った紅くて丸い果実。




「はい、りんご。……え、なに、要らないの?じゃあ、」


「た、食べるよ!」


「なんだよ~。すぐ取らないから要らないのかと思ったじゃん」





りんごを手のひらで跳ねさせながら言うアンザに僕は迷わず首を傾げた。





「りんご、1個しかないよ?」


「うん。もう1個取ろうとしたら落っこちたからね」


「じゃあ、僕は要らないよ。アンザ食べなよ」





そう言った僕にアンザは眉をひそめた。





「何言ってんの?これ2人で分けるんだよ」


「え、……これを?」





信じられない思いでアンザと紅いのを見た。


この果実を2人で分ける?

なぜ?




それじゃあ、満腹感も感じられないじゃ……。




それに彼女が取ったものなんだ。僕まで貰うなんて……。






あぁ、そっか。気を遣ってくれているのかな?




そういえば、アンザって変なところで気を遣うんだよね。




なんで、食べる時も景色を眺める時も、同じ場所で一緒がいいのだろう。






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