冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「ここに姿見があるって知っていたんですか?」
「当然! だってここ、僕の部屋だったんだもん。……って、堅苦しいから敬語止めない? 僕たち、歳近いと思うんだぁ」
葵衣くんは扉を閉めると、紙袋から服を出し、ベッドの上に並べた。
「私は今年二十三歳だよ、葵衣くんは?」
「僕は、二十二歳、大学四年生だよ。あ、僕の方が年下なのに、タメグチでごめんね?」
「ううん、気にしないで。それで、話が戻っちゃうけど、ここって葵衣くんの部屋だったの?」
「そうそう、一年くらい前まで住んでたかなあ。課題が大変になってきて、今は大学の近くに独り暮らしさせてもらってるの」