冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 空になったお皿をシンクにいれたり、お弁当箱を探しているうちに、椿さんはコーヒーを飲み終わっていた。支度をすると言って、洗面所のほうへいってしまう。 

 話が途中で終わってしまった。いろいろと気になるけど、これ以上はもう聞けないかも。


「あ、あった」


 葵衣くんのお弁当箱は収納棚の奥にあり、思ったより小さかった。かわいいうさぎのキャラクターが描かれていて、どう見ても女の子用だ。

 やっぱり葵衣くんは、乙女系の男の子なのかもしれない。

 残り物をお弁当箱につめ、もろもろの片付けを終えた頃には、椿さんが家をでる八時になっていた。


「俺は先に行く。帰りの時間は連絡するから。戸締まり頼むな」


 
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