冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 椿さんに触れられて、嬉しかったって思ってしまう。
 どうしてこんな気持ちになるのか。さすがに恋愛に疎い私でもわかる。

 私は、椿さんのことが好きなのだ。いつからかはわからない。一緒に暮らすようになってからなのか、借金取りに助けてもらったときからなのか。


 あるいは、初めて出会った、面接のときかもしれない。

 同居生活一週間にして、私は椿さんへの恋心を自覚してしまった。




――次の日。

 七時に起きて、椿さんが買ってくれた部屋着に袖を通す。
 キッチンに行ってご飯を作らないといけないのに、なかなか部屋から出る気がしない。

 
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