冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 どんな顔で会えばいいんだろう。まあ、これといって何かされたわけではないのだけれど。
 でも、ずっと部屋にいるわけではいかないので、両手で顔をぱちんと叩いて気合いをいれた。

「しっかりしろ、私」


 鏡に映る自分にカツをいれ、部屋を後にした。
 リビングに行くと椿さんの姿はなかった。自分で部屋に戻ったのだろうか?

 洗濯機を回し、キッチンで朝御飯の支度をしている途中、後ろから扉の開く音がした。


「柏木、おはよう」

「お、おはようございます」


 振り向くと、上半身裸の椿さんがいた。濡れた髪をタオルで拭きながら、冷蔵庫から水を取り出している。
 椿さんは風呂上がりはいつもこの姿なので、さすがにもう驚かない。ドキドキはするけれど。


 
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