冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
「昨日、毛布ありがとうな」

「どういたしまして」


 椿さんはそれだけを言って、どこかへ行ってしまった。多分、部屋で着替えてくるのだろう。
 十分後、服を着た椿さんは、何冊か雑誌をもって姿を現した。

「はあ、頭がいたいな」と辛そうに呟きながら。


「今日はお粥にしましたよ。二日酔いでも食べられるかと思って」

「気が利くな、助かるよ」

「もう食べますか?」

「ああ」


 おかゆとお新香をテーブルに並べて、二人の食事が始まった。
 ご飯を食べながら、ちらちらと椿さんの様子をうかがう。すこし顔色が悪いけど、それ以外はいつもと変わらない。

 
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