冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「そんなわけないじゃないですか! そんな理由で嫌われ役になる人がどこにいるんですか? 中垣さんは、もっと会社のトップを信じるべきですよ!」
中垣さんの目を真っ直ぐに見据えて、はっきりと伝えた。
それと同時に、バッグの中から財布を取り出し、会費の三千円をたたきつけるように置いて立ち上がる。
「場を乱して申し訳ありません。私は予定があるので、この辺で失礼します!」
素早く一礼して、戸惑う視線を背中に受けながら、店を後にした。
店から出て、すぐにタクシーを拾う。マンションの住所を伝えると、運転手から「大丈夫ですか?」と聞かれた。
そして初めて、自分が涙を流していたことに気がつく。いつから流れていたのだろう。