冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 きっと、中垣さんや皆にも見られたに違いない。
 変に思われただろう。何か疑われてしまうかもしれない。

……でも、今はそんなことはどうだってよかった。
 ネオンの煌めきをぼんやり眺めながら、涙が自然に乾いてくれるのを待った。


――十分後、マンションの前でタクシーを降りた。

 まだ九時前。椿さんはたぶんまだ帰っていないだろう。いつもは寂しいけど、今日に限っては好都合だ。 平静を装って話す自信がないから。

 エレベーターで38階まで上がり、ドアのロックをはずすと、リビングには明かりが灯っていた。
 うそ、もう帰ってきている……?


 
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