冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「――そこまでだ」
椿さんの声が聞こえた。
一瞬、デジャブかと思った。彼に助けてほしくて、彼を求めすぎて、空耳なのかと思った。
でも……
「これ以上、汚い手で俺の女に触れるな」
椿さんはここにいた。息を切らして、焦った表情で、私に触れていた中垣さんの手首を掴む。乱暴に放すと、中垣さんはすぐに手を引っ込めた。驚いて目を白黒させている。
どうして、椿さんがここにいるのだろう。わからないことだらけだけど、彼の顔を一目みただけで安心して、ぽろぽろと涙がこぼれた。
「どうして副社長がここに……!」
「お前は知らないだろうが、人事部長と執行役員は、全社員のメールを閲覧できるんだ。昨日、彼女の様子がおかしかったから、お前たちのメールを見させてもらった」