冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 椿さんは私のバッグを持ち、もう片方で私の手を握って店を出た。あまり知らない夜の街。金曜日だからか人が多く、掻き分けながら前に進む。
 この前繋いだときよりも、椿さんの手は熱い。


「椿さん、バッグありがとうございます。自分で持ちますよ」

「気にするな。今日は持ってやる」


 ふと、椿さんは通勤用のカバンを持っていないことに気がついた。最初息を切らしていたし、急いで駆けつけてくれたのかな、と考えてしまう。

「今からどこへ……?」 

「すこし夜風に当たりたい気分なんだ。すこし歩いてもいいか?」

「はい」


 
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