冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「どう? サイズ合ってた?」

「うん、もう入ってもいいよ」


 廊下にいた二人は、部屋に入るやいなや「かわいいー」とほめてくれた。
 男の子にというより、女友達に褒められているような感覚。ついつい油断してしまいそうになる。


「じゃあ、次はメイクだね。遥くん、お願い」

「オッケー! 任せて」

  
 私はデスク近くの椅子に座り、遥くんはリビングから椅子を持ってきて近くに座った。


「うんと可愛くしてあげるね」

「……ありがとう」


 どうして椿さんは、こんなことを二人に頼んだのだろう。
 やっぱり、今日はただの食事ではないということなのか。

 そうだとしたら、一体どんな話をされるのだろう。
 悶々と考えているうちに、メイクとヘアセットが完了した。
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