冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
「よし、完成ー!」

「うわあ、美緒さん、すっごく可愛いよ。お姫様みたい!」

 葵衣くんは、これ以上ないってくらいにべた褒めしてくれるけど、私は自分の顔がどうなっているのかわからない。
 
「そんな、大げさな……」

 
 椅子から立ち上がって、部屋の隅にある姿見で全身を確認する。


「……私じゃないみたい」


 鏡の中には、初めて見る自分の姿があった。
 髪型は、ゆるふわのハーフアップになっていた。メイクは、決して濃くはないのに、とても華やかに見える。

 メイク一つで、自分の顔がこんなにも変わるなんて思わなかった。


「二人とも、本当にありがとう! すごく素敵だよ。感動して泣きそう……」
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