冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 椿さんは私の手を引いてエレベーターに乗った。目的地のレストランは、まさかの最上階にあった。


 店の入り口にいる店員に「予約している椿だ」と声をかけると、すぐに席まで案内された。


 店内はシックな雰囲気で、大きな窓からは夜景が一望できる。
 毎日マンションから夜景を見ているけれど、美しい情景はどれだけみても飽きないと知る。


 私と椿さんは、窓側の席に案内された。
 私たち以外に、お客さんは一人もいない。来店が早かったからだろうか?


「まずはシャンパンでいいよな?」

「はい」

 
 シャンパンを注文すると、すぐに運ばれてきた。
 乾杯をしたときに、初めてイタリアンレストランで食事をしたときのことを思い出した。
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