冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 穏やかに笑う椿さんは、本当にかっこよくて、色っぽい。
 私なんかにはもったいない、素敵な男性だ。

 そんな彼が、私のことを好きになってくれた。
 それだけでもう十分な気がする。


「こちらこそ、ありがとうございます。最後に気になっていたことが聞けて、もう心残りはありません」


 涙をこらえて、精一杯の笑顔でお礼を言うと、椿さんは怪訝そうに眉間にしわを寄せた。


「最後って、どういう意味だ?」

「……え? だって、さっき“最後”の夜だって」

「そんなことは一言も言っていない。俺は“最高の夜”と言ったのだ」

「へ?」
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