冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「じゃあ、何なんですか? こんな素敵なお店を貸し切って、ドレスアップまでさせて……何か特別な話があるって思うじゃないですか!」
「…………あるに決まっているだろう。だから、空気を読めと言っているのに」
椿さんは、深くため息をつくと、片手をあげて店員を呼んだ。
小声で何か話しているけれど、何も聞こえない。
店員は「かしこまりました」と言って、テーブルを離れた。
「少し予定が狂ったが、お前のお望み通り、大事な話をさせてもらう」
「は、はい」
緊張して、肩に力が入る。きゅっと唇をむすんで、椿さんの言葉を待った。
「――柏木、今日限りで家政婦の任を解く」
「え……?」