冷徹副社長と甘やかし同棲生活
 
 まさかの、ここにきてまさかの……リストラ宣言。
 いや、もともと給料をもらっていたわけじゃないけれど。

 ただお礼をしたくて、住み込みで働きはじめたけれど……もうその必要はないってこと?


「やっぱり、最後の夜じゃないですか!」

 
 涙が堰を切ったように溢れ出る。一度期待してしまった分、悲しみもひとしおだ。
 

「落ち着け、まだ話は終わりじゃない」


 椿さんは、スーツの内ポケットから白いハンカチを出し、私に手渡した。
 そして、さらに話を続ける。


「そのかわり、これからは――」
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