冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「ああ。今の会社に在籍したまま、親父の会社の執行役員になることにした。時々通って、会議に参加しようと思っている」
「そうだったんですね。お父さんは納得されていましたか?」
「本当は兄さんとともに会社を継いでほしかったようだが、断った。親父には親父の、俺には俺の夢があるからな」
「夢……?」
椿さんは、まるで少年のように、白い歯を見せて笑った。
「ありきたりな夢だが、愛する妻と幸せな家庭を築くことだ。時にはしっかり者の母親で、ある時は世話のかかる妹のようで、でもいつでもときめきを与えてくれるお前のそばにいることが、俺の夢だ」
「嬉しい……。私も、椿さんと一生一緒にいたいです!」