冷徹副社長と甘やかし同棲生活
4.エピローグ

「ごちそうさまでした!」


 全ての料理を食べ終えた私たちは、エレベーターで一階まで降りた。
 そのまま来た道を戻ろうとすると、椿さんに呼び止められた。


「そっちじゃない」

「でも、この入口から入りましたよ?」

「今日は、このままお泊りだ」

「…………泊まり!?」

「言っただろ? 最高の夜を過ごすって」


 その言葉の意味をようやく理解して、何も言えなくなる私。
 椿さんがうちの親に挨拶をし終わった今、障害は何もない。


「えっと、でも、心の準備が……」

「そんなものはいらない」

「ど、どうしてですか。大事ですよ」

「その方が、いじめがいがあって楽しいだろう?」


 
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