冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 副社長は不敵な笑みを浮かべると、私の手を引いてフロントを通り過ぎた。
 宿泊客専用のエレベーターに乗って、四十階で降りる。

 ふかふかの絨毯の上を歩く。履きなれないパンプスだからか、ときどきつっかえそうになった。


「抱っこしてやろうか?」

「い、いいです。歩けますもん」

「そうか。足が痛かったらいえよ」

 
 椿さんは、私の足を気遣ってゆっくりと歩いてくれた。
 いじわるだか、優しいんだか……。本当にこの人は、複雑な性格だ。


「ここだな」

 椿さんはICカードをドアノブにかざした。扉を開けた先には、想像以上に豪華な部屋が待っていた。
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