冷徹副社長と甘やかし同棲生活
「義務も何も、あんたんとこのバカ親父が金借りたのは事実や。早く返さへんと、一千万どころじゃすまなくなるで」
「一千万も……」
半年前くらいのこと。うちだけでなく、商店街にある店のいくつかに投資話が持ちかけられた。
寂れかけた商店街をもう一度活気づけるために、目玉となる新規店舗を作るというような話だった。
父さんを含めた店主たちは、お金を借りてまで投資話に乗ったけど、結局は詐欺だった。
新しい施設を作るために立ち退かせようとしたけれど、誰も首を縦に振らなかったから強行手段に出たという噂をきいたことがある。
「どんな理由にせよ、借りたお金は必ず返します。けれど、その選択肢はどちらも飲めません。一生懸命働いて返しますので、どうかお願いします……」